土地の相続人

土地の相続人は十三人におよぶ。誰もが目をつける土地だが、煩雑な権利関係を知って二の足を踏んでいた。I氏はこの土地の買収にかかった。日本の相続人の同意を取りつけた後、アメリカに渡り、アメリカ人になりきっている二人の子どもに買い取りを持ちかけた。.人は軍人、軍属をやってましたけど、日本からサンタクロースがやってきた、と喜びましたね。それで地上げに成功、マンションでも建てて売り出そうかと市に建築確認の申請を出したら、許可を下ろさない。なぜだ、と文句を言ったら、ぜひ市のほうに譲ってくれ、と。都市計画上、どうしてもあの土地が必要なんだというわけです。売ってもいいけど、買値の二倍や三倍はもらわないと、と言って、結局、純利五千万円ほどになりましたか。公共団体に売ると非課税ですから、これは大きかった」I氏は前の結婚に失敗、二年ほどで正式に籍を抜いている。もっとも彼女の生活は一生面倒を見るという約束付きである。三年前に再婚した。今度の相手は元女優である。I氏は東京近郊の高級住宅地に新居を定めた。家賃四十万円のマンションというから、たいへんなものである。「結局?地上げはやっても手張りした部分が少ない。

 
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